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石川県発祥の頭脳パン、“生みの親”は大ミステリー作家! 「ニッポン全国 懐かしのご当地パン図鑑」

 毎月12日は「パンの日」だそうです。軍学者でもあった伊豆国韮山の代官・江川太郎左衛門英龍が日本で初めて本格的にパン作りに取り組み、乾パンに近い「兵糧パン」が焼き上げられたのが1842(天保13)年4月12日のこと。その日を記念して4月12日を「パンの記念日」、毎月12日は「パンの日」とパン食普及協議会によって制定されました。

 日本にはたくさんの種類のパンがありますが、旅先で気になるのが地域色豊かなご当地パン。そんな日本各地のご当地パンばかりを集めたのが「ニッポン全国 懐かしのご当地パン図鑑」です。

 本書を眺めていて個人的に意外だったのが「頭脳パン」。そのネーミングに引かれて、学生時代に一度は食べたことがあるという人も多いのではないでしょうか。筆者もテスト間近に食べてみたことがある一人。学校の購買部をはじめ、都内のコンビニやスーパーでも売られていたので“ご当地パン”という認識はありませんでしたが、頭脳パンの生まれは石川県とのこと。「ビタミンB1は頭の働きを良くする」という故・林髞(たかし)慶応大学教授の学説に基づき、1960年に石川県にある金沢製粉が中心となってビタミンB1を多く含む小麦粉「頭脳粉」を開発したことから、県内のパン屋や製パン会社を中心に広まっていったのだそう。今でも頭脳粉を製造しているのは、金沢製粉のみなんだとか。

 ちなみに、頭脳粉のヒントとなった学説を提唱した林教授は、木々高太郎(きぎ・たかたろう)のペンネームで知られる直木賞受賞の推理作家。推理小説のお供に頭脳パンを食べれば、あなたの推理も冴え渡るかもしれません。