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歌舞伎町で95カ月連続No.1のキャバ嬢・桜井野の花さん 勝てる場所を探して継続する『「一番」という生き方』

文:五月女菜穂 写真:篠塚ようこ

自分を掘り下げて見つめる大切さ

――著書『「一番」という生き方』は、キャバクラに限らず、ナンバーワンを目指すあらゆる業種や年齢の人に向けた内容だと思います。「ブランディング」の大切さを語っていますが、なぜ重要なのですか?

 イメージを大切にする芸能人はもちろんですが、最近ではYoutuberや若い起業家、経営者といった人たちも、みんなしっかり自分をブランディングして、「こういう人間だ」と発信して有名になっていっていますよね。

 有名になれば、もちろん時には批判とか中傷もあるけれど、とりあえず注目を集めることができます。その結果、会社やお店にたくさんのお客様を集めることができたり、Youtubeチャンネルにたくさんの人が訪れて広告収入も増えたりする。

 しかも、今は、そういったセルフブランディングを誰もが可能な時代。ブログやSNSを通じて自己を表現して、自分の能力をたくさんの人に伝え、それをたくさんの人に認めてもらえる、そんな時代に、セルフブランディングをしないなんて本当にもったいないと思いますよ。

――桜井さん自身は、どのようにブランディングをしてきたのですか?

 私は、自分が「勝てる」場所を探して、そこでナンバーワンになることを目指しました。そのためには、どんなことなら頑張れるのか、どういうときにやる気をなくしてしまうのか、他人と比べて何が秀でているのか。きちんと自分のことを掘り下げて、見つめることが大切だと思っています。

彼を振り向かせたくて…キャバクラの道に

――そもそもなぜキャバクラの業界に入ったのでしょうか

 私、学生のころからモテたことがなくて、男の人に言い寄られたこともなかったんですね。けど、大学生のときに、初めてホストクラブに行って。お金を払ったら、格好いいイケメンのお兄ちゃんに口説いてもらえたんですよ。「ここは天国か!?」と思いました(笑)。

 当時ブロガーとして月150万円ぐらいは稼いでいたんですけど、自分でいいカバンが欲しいとか、いいところに住みたいとか、いいものを食べたいとか、そういう欲求はもともと全然ないタイプなので、稼いだお金のほとんどをホストクラブに投入していました。

 ホストクラブに通い始めて半年ほど経った頃、その店でナンバーワンだったホストくんと付き合い始めて、アフィリエイトの収入だけではお金が足りなくなってしまった。キャバクラなら効率よく稼げるのではないかなと思って、業界に入りました。

 ただ、収入は増えましたが、そのホストくんに振り回され、お店も出入り禁止に。そこで歌舞伎町ナンバーワンになれば、彼も振り向いてくれるはずだと思ったんです。健気ですよね(笑)。

――それで歌舞伎町を舞台に選んだんですか

 ナンバーワンを継続するために必要なのは、まず「勝てる」場所を見つけることが大前提です。その上で努力や工夫が必要になります。

 私の場合、高級店や激戦区で「売り上げ5位以内には入れそうだけど1位になれるかは微妙」という立ち位置にいるよりは、お店のランクは下がっても1位になって背中を追われる方がモチベーションを保ちやすいと考えました。1日でも誰かに売り上げで負けたくないし、「継続力する力」には自信があった。だから、「継続的にナンバーワンになれそうなお店」こそが、自分の勝てる場所だと考えたんです。

 ただ、すすきのや六本木、ミナミなど全国的に名前が挙がる繁華街はたくさんありますが、私の中で、歌舞伎町は「最下層」。好きなようで嫌いだし、嫌いなようで好き。歌舞伎町のおかげで有名になれたけれど、歌舞伎町のせいですごく傷ついたこともあるので…。

「蓄積に基づく自信」が自分を支える

――そこから実際にナンバーワンになりましたね。どんな努力を重ねたのですか?

 ライバルたちと比べて、私が得意と言えるものは、「継続する力」でした。こう見えても結構、昔から手堅い人間で、コツコツ努力を続けないとうまくいかないということを、身をもって知っていました。大学受験の経験もいきているのかな。

 例えば英単語を覚えるときに、1~5、6~10、11~20という単元があるとして、初日に1~5をやったら、次の日は1~5を復習してから6~10を学習し、またその次の日は1~10を復習してから、新しく11~20をやった方がいいですよね。人は確実に忘れていきますから。それと同じことです。

 キャバクラも、新規のお客様と既存のお客様に定期的に連絡を入れていくことを繰り返していけば、売り上げが下がることはまずありません。目の前ばかりを見て、「お金のない人には連絡はしない」なんて言っているようでは、何をやっても成功はしないと思います。

 みんなからは「マメだね」と言われますが、私にとっては「普通のこと」。凡人が天才に少しでも近づくために唯一できる手段が、継続することだと思っています。

――そうですよね。でも、その継続することがなかなか難しいんですよね…

 CMか何かで見た言葉ですが「マラソンは一度立ち止まると、再び走り出すのがすごく大変」なんだそうです。私の中ではそれと同じイメージかな。確かに続けることは面倒臭いこともあると思うし、辞める方が簡単だと思いますよ。でも、まずは続けてみることが大切なのではないかなと思います。

 もちろん人それぞれ事情はありますよ。パワハラでつらいとか、人間関係が最悪だとか、そういう環境の中でも「とにかく続けてみろ」とは言いません。時には辞めること、捨てることの方が大切だったりするとは思います。ただ、なんとなく「だるいな〜」とか「めんどくさいな〜」と思うぐらいならば、続けることにデメリットがないならば、やってみたら? と思います。

 さらにいうと、継続した先にどんなメリットが待ち受けているか。それはやってみないと分からないことです。続けることで自分にも自信がつくし、成果が表れる法則みたいなものが見えてくる。結局、自分を支えるのは、「今までコツコツやってきたんだ、これだけやったんだから大丈夫なんだ」という蓄積に基づく自信なんだと思いますよ。

お葬式は何千人レベルでやりたい

――桜井さんが目指す「次のステージ」を教えてください

 現場から抜けて、経営者としての力を強くすることですね。いまはキャバクラの経営のほか、フランチャイズの仕組みを勉強するため、学習塾の経営準備を進めていたりします。

 私の人生のゴールですか?うーん、お葬式は何千人もの人が参列するレベルでやりたいなと思っています(笑)。