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大英博物館「マンガ!」展の図録が日本語版に 外から見た「マンガ」の全容ここに

 『マンガ!』(ニコル・クーリッジ・ルーマニエール、松葉涼子編、山川早霧、飯原裕美訳、三省堂・3850円)は、昨年英国の大英博物館で開催され好評だったマンガ展図録の日本語版。充実の内容で、日本でも売れるとの判断らしい。

 漫画の読み方・作り方から、浮世絵など伝統文化との関連、産業構造まで展示に沿った構成。作品の図版の他、漫画家、編集者、評論家のインタビューや寄稿も豊富で、普段はライバルである各出版社が協力して網羅的な内容が実現した。

 三省堂編集部の樋口真理さんによると、オリジナル版と表紙の色は違うが、中身はそのまま。ちばてつやが本書で語るように「日本人にとっては、空気みたいなもの」である漫画を、コマを読む順番から解説。外から見つめる発見にあふれている。漫画の神様・手塚治虫についてのくだりで、日本の「神」概念の特殊さが説明されているのもおかしかった。(滝沢文那)=朝日新聞2020年11月21日掲載