1. HOME
  2. コラム
  3. 新書ピックアップ
  4. 「コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿」など注目の新書5選(朝日新聞2021年3月20日掲載)

「コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿」など注目の新書5選(朝日新聞2021年3月20日掲載)

『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』

 米、英、仏、独、ベルギー、スウェーデン、ニュージーランドの首脳が、国民に何を訴え、どう行動したかを各国在住のジャーナリストらが報告する。評価が高いニュージーランドの首相について分析した研究者は、コミュニケーション力の重要性を指摘する。
★栗田路子ほか著 光文社新書・1144円

『「スパコン富岳」後の日本』

 計算速度などを競う世界ランキングで首位を誇るスーパーコンピューター「富岳」。新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)感染シミュレーションなどでも注目を集める。その実力を開発者や研究者らのインタビューなどとともに紹介、科学技術立国としての日本の今後を探る。
★小林雅一著 中公新書ラクレ・924円

『東電原発事故 10年で明らかになったこと』

 2011年の東京電力福島第一原発事故を、国会事故調査委員会は「人災」と断定した。国や東電は津波対策をどのように先送りし、最悪の事態につながったのか。事故調の協力調査員を務めた科学ジャーナリストが、膨大な資料や裁判記録、証言を元に事故の全体像を示す。
★添田孝史著 平凡社新書・924円

『金融老年学の基本から学ぶ、認知症からあなたと家族の財産を守る方法』

 副題は「国富215兆円クライシス」。既に143兆円あり、2030年には215兆円にのぼるとも試算される認知症患者の資産は、判断力低下を狙った詐欺や悪質商法の格好の標的。現役医師であり、元内閣府官僚の著者が打開策を提案する。
★木下翔太郎著 星海社新書・1210円

『プライバシーという権利』

 デジタル環境が急速に変化し、私たちの個人情報は知らぬうちにビッグデータや人工知能に使われている。こうした時代の中で、プライバシーの権利はなぜ保護されなければならないのか、個人情報保護法はそもそも何のためにあるのかなどの根本的な問いを改めて投げかける。
★宮下紘著 岩波新書・880円=朝日新聞2021年3月20日掲載