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緒方貞子の教え、次の世代に「難民に希望の光を 真の国際人緒方貞子の生き方」

 日本人で初めて国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さん(1927~2019)が歩んだ人生と残した教えが『難民に希望の光を 真の国際人緒方貞子の生き方』(中村恵著、平凡社、1870円)にまとまった。著者は緒方さんの仕事を支えた元パーソナル・アシスタント。難民支援に奔走したその生涯を描き、人を思いやる姿勢を貫いた人間性に迫る。

 「緒方さんの思いを若い人たちにつなぎたい」との願いから、漢字にはルビを多く振り、ブックガイドを設け、緒方さんの英語のスピーチを著者による日本語訳と一緒に載せた。「日本と世界は相互依存でつながっており、自分だけが平和で豊かでありつづけることはできません」。そんな緒方さんの言葉で本書を締めくくる。編集者の進藤倫太郎さんは「小さな一歩を踏み出すことで誰もが人道支援の役に立てることを感じてほしい」と話す。(川村貴大)=朝日新聞2022年3月19日掲載