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映画「わたしの幸せな結婚」今田美桜さんインタビュー 「出会いで人生観が大きく変わるなんて素敵」

今田美桜さん=有村蓮撮影

「優しい強さ」出せたら

――原作はベストセラーで、ファンにとっては原作や挿絵、コミック版のイメージも強いと思います。その中で、今田さんはどのように美世という役と向き合ったのですか?

 もちろん小説もコミックも読ませていただいて、監督をはじめスタッフさんたちと、細かいメイクの仕方などお話ししながら、役を作っていきました。私自身、美世のように、大人しくて感情を表に出さないような子を演じるのがほぼ初めての経験。手のあかぎれなどをメイクでリアルに表現してもらったりして、ビジュアル面で助けられたと思います。

 美世は清霞と出会って、人生が大きく変わっていきますよね。心を閉ざしてきたけれど、実はちゃんと芯があって、人を想う心を持っている子だという印象を受けて、優しい強さみたいなものが出せたら素敵だなと思いながら、役と向き合っていきました。

――作品のどんなところに強く惹かれましたか?

 私は映画への出演が決まってから原作を読んだこともあり、特に美世に感情移入をしていました。美世は清霞に出会って、本当に考え方から何から何までが変わっていくんですよね。読み進めるにつれ、美世の成長が見られたことに感動しました。

 もちろん、美世以外の人物についても描かれています。清霞は清霞で苦しいことがたくさんあるし、継母も継母なりの思いがあって......。いろいろな人の思いが重なり合って、物語が進んでいくので、吸い込まれるように読みました。

 それからやはり「異能」という独特な世界観。壮大なファンタジーをあれこれ想像するのが、読んでいて楽しかったですね。

(C)2023 映画『わたしの幸せな結婚』製作委員会

――虐げられて、政略結婚させられて、夫に尽くす美世。その結婚観について、今田さんはどのように感じられますか?

 美世は、もう早くから人生を諦めかけて、亡くなった母のもとに行くことだけを考えて、何の希望も持っていませんでした。でも、政略結婚で清霞に出会い、人生が変わります。本当にタイトル通り「わたしの幸せな結婚」だなと思います。

 確かに今は、初対面の人のもとへ嫁ぐことはなかなか考えづらい時代ですが......美世のように、誰かと出会って人生が大きく変わることはあると思うんです。恋愛もそうですが、いろいろな出会いによって、自分の人生観が大きく変わっていくなんて素敵ですよね。

初共演の目黒蓮さんが「もっと年上だと」

――映画ではアクションシーンもありましたが、撮影は大変でしたか?

(C)2023 映画『わたしの幸せな結婚』製作委員会

 そうですね。アクションシーンよりも、継母の香乃子(演:山口紗弥加さん)や異母妹の香耶(演:髙石あかりさん)に虐げられてぼろぼろになっていくシーンが大変でした。何よりお着物を着たお芝居が初めてだったので、その点でも苦労しましたね。

――確かにお着物の所作など難しそうです。

 例えば、映画の中では走るシーンがあるのですが、本来ならばお着物の裾が割れないように小股で走るんですね。腕もあまり振らないそうなんです。でもそのシーンは清霞が一番大変な時で、一生懸命さも出さなくてはいけない。お着物の所作を気にしてはいられないので、そこは普通に全力で走りました(笑)。

――美世という役を落とし込むために、何か撮影期間中に意識していたことはありますか?

 やはりお着物の所作や畳での所作を自然にできるように練習をしました。また、清霞に贈る組紐を編む練習もしました。組紐の道具をお借りして、家でずっと編んでいました。

――清霞役は目黒蓮さん。初めての共演ですね。

 はい。実は目黒さんと私は同い年なんです。目黒さんのお誕生日が2月で、私が3月。ちょうど撮影期間だったので現場でお祝いしていただいたのですが、私の誕生日の時に初めて同い年だということを知ったみたいで「もっと年上だと思っていました」と言われました(笑)。今振り返っても、あれはどういう意味なんだろうと考えてしまいます(笑)。

読書は「想像力を刺激する時間」

――今田さんは普段、どんな本をお読みになりますか?

 特に小説を読むことが多いですね。例えば映画化される話題の小説や、本屋さんでおすすめされているもので気になった本を手に取ることが多いかなと思います。

――今まで影響を受けた本や何度も読む本などはありますか?

 私は原田マハさんが好きなんです。特に『本日は、お日柄もよく』は、私自身初めて本で号泣した一冊で、心に残っています。

――今田さんにとって本を読む時間はどんな時間ですか?

 本を読む時間は息抜きの時間でもありますし、想像力を刺激する時間です。私、本に描かれている情景を想像するのがすごく好きなんですよね。原作を読んでいっぱい想像して、またそれが映像化しているものを見て全然違う印象を受けて、その違いをまた楽しんで......。

「勉強するぞ!」という気持ちで本を読むことはないんですが、結果的に俳優としていろいろ学び、吸収することができるなと感じています。

――最後に、どんな部分に注目してこの映画を観てほしいですか?

 この物語は清霞と美世が出会うことで、いろいろなことが起きます。お互いがだんだん惹かれあっていき、いい方向に変わっていく一方、悪いことも起きて......。純愛ラブストーリーの要素あり、「異能」というファンタジーの要素あり、そして目黒さんを筆頭にした迫力あるアクションシーンありの映画です。ぜひこの新しい世界観を観ていただきたいと思います。

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