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同じタイトルで「ウェブトゥーン」連載 漫画家が提訴する事態に

従来の漫画と「ウェブトゥーン」の違い

 大ヒット漫画を連載していた漫画家が、同じタイトルでデジタル漫画「ウェブトゥーン」が制作されることに適切に対応しなかったのは契約違反だとして、自身の漫画を出していた出版社に賠償を求める訴訟を、東京地裁に起こした。

 問題となったのは、漫画家の合田蛍冬(あいだけいと)さんによる「小悪魔教師サイコ」。合田さんは8月に出版社「ぶんか社」を提訴した。

 訴状によると、原作小説の著作権を管理する会社からぶんか社が許諾を受け、合田さんが2021年4月に同社のサイトで電子配信を開始した。

 だが約7カ月後、原作管理会社が、スマホで読むことに最適化されたデジタル漫画「ウェブトゥーン」の事業への参入を発表。「サイコ」も同じタイトルでウェブトゥーン化されることになった。

 合田さんは、制作中止を求めるよう、ぶんか社に伝えたが「止める権利はない」と回答があり、ウェブトゥーン版の連載が始まった。

 合田さん側は、同社との出版契約を根拠に「同一作品の制作・販売を止めなかったのは契約義務違反」と主張。ただ、対応の不十分だったことを確認するのが目的で、賠償請求額は3円にしている。

 ぶんか社は取材に「主張は訴訟の場で明らかにしていく」と回答した。

(金子和史)朝日新聞デジタル2023年09月24日掲載