子どもが集う「こどもの本屋」
「ただいま」と入り口でひと声かけていく学校帰りの子ども。店内に貼られたたくさんの絵や手紙。店主と子どもたちの信頼関係がひしひしと感じられる店だ。絵本や児童書は、店主の中藤さんが一冊一冊に目を通して仕入れる。そこには中藤さんが子どもの頃に通った神戸の児童図書専門店「ひつじ書房」から継ぐ、子どもたちへの誠実な想いがある。子ども時代の読書体験の楽しさ、大切さを知る店主だからこそ選べる一冊に出会える店だ。
選書はきびしく、敷居は低くがモットーです。おかげさまで近所の子どもたちが放課後に集まる場所になりました。無理やり本をすすめたりせず、きれいな水辺を整備して馬が水を飲むのを待つように、店に座っています。絵本の大きな魅力「なんだかよくわからないけどおもしろい」を体現した店を目指し、毎日あたまを抱えて奮闘中。(店主 中藤智幹さん)
こどもの本屋 てんしん書房
東京都文京区小石川5-20-7 1F
TEL/FAX.03-5615-9586
営業時間 10時~暗くなるまで
定休日 月・不定休あり
http://tenshin-shobo.com
森で味わう絵本の世界
森の中の一本道を進んでいくと、木々の間に優しい雰囲気の建物が見えてくる。安曇野の雄大な自然にしっくりと溶け込んだその姿は、まさに絵本に登場する「森のおうち」。1994年設立の私設の美術館で、絵本の魅力をまるごと感じてほしいと、一冊の作品の展示では原画をできるだけ全点並べている。木のぬくもりに見守られてゆったりと飾られた、世界に一つの原画を味わう贅沢さ。さりげなく置かれたオブジェからも絵本への深い愛情が感じられる美術館。
美術館内には絵本書店・星めぐりがあり、展示中の絵本を中心に作家の作品やオリジナルグッズを販売している。美術館横には「ジョバンニのコテージ」を併設。部屋の窓からは森が望め、安曇野の自然を満喫できる。約8000冊の蔵書がある美術館内の図書室から本が借りられるのも嬉しい。自然を感じながら本を読む。贅沢な時間を過ごせる場所だ。
絵本美術館&コテージ 森のおうち
長野県安曇野市穂高有明2215-9
TEL.0263-83-5670 FAX.0263-83-5885
開館時間 9時半~17時 ※12~2月 9時半~16時半
休館日 木 ※変更日あり・HPを確認
http://www.morinoouchi.com
日本に初めて誕生した「しかけ絵本専門店」
しかけ絵本の出版社で営業をしていた店主の嵐田康平さん。当初はその魅力が理解されず、なかなか話を聞いてもらえなかった。定年退職が近づいた頃、しかけ絵本を喜ぶ我が子の姿を日々見ていた奥様の晴代さんは、「この力のある本の専門店が無いのはおかしい!誰もやらないなら私たちがやるしかない」と康平さんを説得して、ふたりとも仕事を続けながら開店した。作ることで面白さを体験してほしいと始めたしかけ絵本教室は今も続く。あの時きっかけをくれた息子の一平さんも加わり、家族の絆を強みに驚きと感動を伝えていく。
メッゲンドルファー
神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-9-61
TEL/FAX.0467-22-0675
営業時間 10~18時
定休日 水
https://www.meggendorfer.jp