第23回女による女のためのR-18文学賞(新潮社主催)の贈呈式が先月、東京都内で開かれた。大賞は広瀬りんごさんの「息子の自立」。シングルマザーが、自閉スペクトラム症(ASD)の息子の性処理のため「障碍(しょうがい)者専用派遣風俗」を利用する様子を描く。広瀬さんは「私には障害を持つ息子がいる。彼らの言葉を代弁できるとは思っていないけれど、ひとかけらだけでも伝えられるものがあれば」と語った。
お笑い芸人の友近さんが選ぶ友近賞は、神敦子さんの「君の無様はとるにたらない」。父親の不倫が原因で両親が離婚した女子高校生が主人公だ。神さんは「賞をもらって、書くことを許してもらえたのかなという気持ちになれた。これからも丁寧に書くことを続けていきたい」と決意を語った。(田中瞳子)=朝日新聞2024年6月12日掲載