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シモダアサミ「体にまつわるエトセトラ」 偏見や無理解、肩ひじ張らずに

『体にまつわるエトセトラ』 シモダアサミ〈著〉 祥伝社 1056円

 いきなりで恐縮だが、月経カップという生理用品をご存じだろうか。女性ですら認知度は48・9%で、使用率は8・9%(月経カップメーカーによる今年6月の調査)。男性ではまるで知らない人も多いのではないか。

 本書の第1話に登場する男もそうだった。月経カップを使うようになって快適のあまり生理中であることを忘れてしまった女性が、うっかり彼氏と事に及ぶ。そこで何かが入っていることに気づいた彼氏は興味津々。「彼氏たるもの彼女の体のこと知ってたいじゃん」と言いつつ半分はエロ妄想で、取り出すところを見たいという。その結果どうなったかは本編でご確認いただきたいが、彼氏が生理に対して理解を深めたことだけは間違いない。

 ほかに、すね毛が濃いのを気にして脱毛した男性、幼少時から尻が大きいのをからかわれてきた女性、目つきが悪いというだけで怖がられる男女、乳首が大きいことがコンプレックスの男性など、全7編を収録。性別問わずありがちな体にまつわるデリケートな問題、その背景にある偏見や無理解を、肩ひじ張らずさらりと描く。フェアな視線、フラットな描線、明快な画面構成でストレスフリー。女性誌の連載作だが、男性にこそ読んでほしい。=朝日新聞2024年10月5日掲載