
第41回織田作之助賞の贈呈式が3月6日、大阪市内であり、「生きる演技」(河出書房新社)で受賞した町屋良平さんは「文学の可能性を信じて書いていきたい」とあいさつした。
天才子役といわれた生崎と、空気の読めない俳優笹岡。高校の同級生はともに複雑な家庭にあり、家族を憎んでいる。彼らが演じることを通し、暴力や家族について問いかける長編である。デビュー9年、町屋さんがもてる力をつめこんだという自信作だ。
文学に対する織田作之助の姿勢に町屋さんは共鳴すると話す。「いま、自分がこれを書けば新しいものになるんじゃないか。そう信じる気持ちが文学の唯一の可能性なのかなと。開き直りとともに信じることができる可能性を織田作之助は示してくれたのかなと思います」(河合真美江)=朝日新聞2025年03月26日掲載
