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「『小学一年生』100年の歴史」書評 時代にピタリと合わせて変化

評者: 御厨貴 / 朝⽇新聞掲載:2026年01月31日
【オールカラー版】『小学一年生』100年の現代史 著者:野上 暁 出版社:論創社 ジャンル:文学・評論

ISBN: 9784846025250
発売⽇: 2025/11/19
サイズ: 2×21cm/296p

「『小学一年生』100年の歴史」 [著]野上暁

 顔、顔、顔……。子どもの顔がいっぱい‼
 『小学一年生』を含む学年別学習子ども雑誌を100年並べる企画だ。男女の顔は百面相ではなく、いつでも似た感じでどことなく真面目。そういえば自分も買いに行ってたな。明日発売なのに前日に本屋に駆け込み、やっぱりなかったという体験。悔しかった。正調小学館なのだが、講談社や学研も類似の学年別雑誌で競争してたっけ。1950年代後半からの時代だ。おまけや付録もなかなかのもの。母親が夢中で作り、そのことを投書したらおたよりコーナーに出たことも。
 マンガやアニメで世相は一変。これまた子ども雑誌も一変。古くは戦時、新しくは高度成長期に子ども雑誌は時代にピタリ合わせて変化を遂げた。とにかく社会変化に機敏な雑誌だから、学年別では売れなくなるや、上の学年から順次休刊し、今や『小学一年生』のみが残る案配に。著者自らがこの雑誌の作り手になってからの記述が「どうだ、やったぜ」とばかりに実に楽しい。そうだ、『小学一年生』よ、永遠に!