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イベント「本の街神保町で、本の未来について語り合おう」開催 登壇者ら「まだまだできることがある」

ストーリー&ビジネス研究所代表の田中裕士さん、日刊ニュースレター「出版業界ニュースまとめ」発行人の古幡瑞穂さん、Book Fair Championship実行委員の楫野晋司さん

 三省堂書店神田神保町本店で13日、トークイベント「本の街神保町で、本の未来について語り合おう」が開催された。本や出版業界の環境が変わる中、本はどのように読まれ、どのように届けられていくのか、3人の有識者が語り合った。

 登壇したのは、ストーリー&ビジネス研究所代表の田中裕士さん、日刊ニュースレター「出版業界ニュースまとめ」発行人の古幡瑞穂さん、Book Fair Championship実行委員の楫野晋司さん。

 まず話題となったのが、「本の値段」について。今後は物流コストの上昇などによって、値上げは避けられないという。現在2千円の単行本が3千円になる日は目の前に迫っているという見方が示された。

 田中さんは「消費者に理解を得るための活動をやることや、値上げに対する提供価値をどれだけ豊かにできるか」を考えるのが大事だと話した。

 古幡さんは「本の読者」について考える上で、音楽配信サービス「Spotify」が欧米でブックランキングを提供していることに触れ、「音楽の流れにオーディオブックが入るとなると読者と想定している分母が変わってくる」。「Spotify」から紙の本の購入ができたり、紙とオーディオブックで読み進めた位置を同期できたりする機能も導入されているとし、「諸外国をみるとまだまだできることがあると思った」と語った。

 議論は、「書店の今後」にも及んだ。田中さんは、いま書店を残そうというと、雑誌も単行本も文庫もコミックもあるようなフルスペックの書店を残すイメージになりがちだと指摘。「書店が社会に対して提供している価値は何なのか。大型書店、中型書店、独立系書店などと合わせ、色んな書店のあり方があると議論する必要がある」と話した。

 楫野さんも、書店には色々な機能があると紹介。近年広がる独立系書店のように、本を通じて共同体を作る動きは、日本の現代社会に求められていると語った。(堀越理菜)=朝日新聞2026年7月29日掲載