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「知っているつもり」を覆す

考えるとはどういうことか (知のトレッキング叢書) 著者:外山 滋比古 出版社:集英社インターナショナル ジャンル:経営・ビジネス

価格:1080円
ISBN: 9784797672220
発売⽇:
サイズ: 19cm/156p

知識と思考は反比例の関係にある−。目的思考に対して、課題や問題にしばられることなく、まったく自由に頭を働かせる自由思考を提案する。外山流・思考術の集大成。【「TRC MA…

評者:石川直樹 / 朝⽇新聞掲載:2012年03月04日

考えるとはどういうことか [著]外山滋比古

 取っつきにくいテーマをわかりやすくコンパクトに伝えるというコンセプトで生まれた「知のトレッキング」叢書(そうしょ)の第一弾である。『思考の整理学』で知られる著者が、編集者との対話をもとに、示唆に富んだ自由な思考を繰り広げる。六つのテーマで構成されているが、特に前半の球面思考や触媒思考の話が面白い。文法では認められていない第四人称に関する話や、ことわざと川柳などをはじめとする言語からのアプローチは、英語雑誌の編集長を務めていた著者らしい指摘で、目から鱗(うろこ)の小さな発見をいくつも得ることができる。
 この本が読みやすいのは、具体的な例やエピソードに溢(あふ)れているからだろう。結論めいたことはない代わりに、考えるとはどういうことか、という書名への答えを、著者自身の全身の思考によって体現している。知っているつもりになっていたことを一から覆していく奇跡のおしゃべりを読者はそばで聞いている、そんな本である。
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 集英社インターナショナル・1050円