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歯切れの悪さこそアンチテーゼ

暴走する地方自治 (ちくま新書) 著者:田村 秀 出版社:筑摩書房 ジャンル:新書・選書・ブックレット

価格:842円
ISBN: 9784480066640
発売⽇:
サイズ: 18cm/233p

「地方から国を変えよう!」のかけ声のもと怪気炎を上げる知事や市長、地域政党。だが、その主張は矛盾だらけ。「改革派」首長が掲げた政策と彼らの政治行動、さらに結果を分析しなが…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2012年07月08日

暴走する地方自治 [著]田村秀

 近ごろ、改革派首長が勇ましい。硬直化した統治機構の変革を訴えて高い支持率を集め、国政の行方すら左右しかねない勢いだ。本書は、彼らの掲げる政策を歴史的、国際的に検証し、矛盾点を明らかにする。橋下徹大阪市長が掲げる大阪都構想は、道州制が前提なら「大阪を破壊する一里塚」と喝破し、河村たかし名古屋市長の中京都構想は「名古屋さえよければいいという地域エゴ」と一蹴する。
 地方自治に関する著者の提言はかなり控えめで、目新しさもない。だが、この歯切れの悪さこそが改革派首長に対する最大のアンチテーゼだろう。論点は、そんなに簡単に単純化できるようなものではない、という意味の。
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ちくま新書・819円