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芸人・松原タニシさん「恐い間取り」 事故物件の居住体験つづる

松原タニシさん

 事故物件とは、前の住人が何らかの理由で亡くなった住宅のこと。自殺や他殺、孤独死など理由は様々だが、えてして家賃は安い。でも住むのはちょっと……。そんな物件ばかりを渡り歩き、住んだ部屋の間取りとともに体験談をつづった初めての単行本「恐(こわ)い間取り」(二見書房、本体1400円)を出した。

 神戸市に生まれ、芸人デビューは2003年。ピンでコントやフリップ芸を披露していたが、「あんまりウケた記憶がない」。ある日、先輩タレントの北野誠さんのイベントで実在するマンションが舞台の怪談を語ったところ、北野さんに「そこ住めや」と言われた。「ホント怖かったですが、守るものもなかったので」。以来、12年から大阪や千葉、東京の6カ所を1年ごとに住み替えてきた。
 浴室の鏡がピンク色のペンキで塗りつぶされていたり、和室の真新しい畳をめくると血痕のようなしみがあったり。霊感はないが、不思議な体験もした。「不謹慎な部分もあるかもしれないけれど、死は本当は身近なもの。受け入れることで前に進めることもあるんじゃないかなって思います」(山崎聡)=朝日新聞2018年7月25日掲載

「好書好日」掲載記事から

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