所有者が亡くなって代替わりした途端、趣ある家屋敷が取り壊され、更地になったり無味乾燥な集合住宅になったり……。
日本では珍しくない光景ですが、これは莫大な相続税が課せられるから。住宅の和装業を営む著者も、貴重な建物が次々消えていくのを苦々しく思ってきました。
本書によると、相続税も固定資産税も、マッカーサーによる日本統治の政策によって生まれたとか。しかし、戦後の超インフレが解消してからも、現在まで残り続けます。この2つの税制だけでなく、社会保障費増大や消費税増税など、国民を苦しめる政策の根はどこにあるのか。
戦後史から掘り下げた結果、著者は増税に頼らない痛快な経済再建論を提示します。
昨年刊行したものの増補・改訂版。9月刊行。定価1200円+税 文芸社 03・5369・2299