1. HOME
  2. インタビュー
  3. 新作映画、もっと楽しむ
  4. 映画「3D彼女」で主演・中条あやみさんインタビュー オタクに恋した“においオタク”

映画「3D彼女」で主演・中条あやみさんインタビュー オタクに恋した“においオタク”

文:永井美帆、写真:佐々木孝憲

人気漫画「3D彼女」の超絶美少女役に挑戦

 キラキラした大きな目と抜群のスタイルで、まるで少女漫画から飛び出してきたかのようなビジュアルの中条あやみさん(21)。人気コミック「3D彼女 リアルガール」(那波マオ作、講談社)の実写映画で五十嵐色葉を演じ、本当に少女漫画の主人公になった。

 色葉は、完璧なルックスを持つ学校一の超絶美少女。一方、同じ高校に通う「つっつん」こと筒井光(佐野勇斗)は、アニメやゲームなど2次元の世界に没頭するオタク男子。違う世界で生きてきた2人だが、色葉がつっつんに突然告白したことで、美女とオタクの恋愛が始まる。

©2018 映画「3D彼女 リアルガール」製作委員会 ©那波マオ/講談社
©2018 映画「3D彼女 リアルガール」製作委員会 ©那波マオ/講談社

 原作は累計発行部数145万部を突破し、アニメ化もされた人気作。中条さんも原作のファンだという。「色葉を演じるのは、正直プレッシャーでした。顔がむくまないよう念入りにマッサージしたり、制服のスカートが短いので食べ過ぎないようにしたり。少しでもかわいい色葉に近づけるように努力しました」。特に食事にはこだわりがあり、忙しくても自炊を心がける。「大阪の実家で暮らす母親直伝のレシピで、パッと簡単に作ることが多いですね。昨日は豆腐ハンバーグを作りました」

 「派手でツンツンしている」「男グセが悪い」「女友達がいない」。そんなうわさが絶えず、1人でいることを好む色葉には、実は他人に心を開くことができない事情があった。だが、挙動不審ではあるけれどピュアで誠実なつっつん、そして個性豊かな4人の仲間たちとの出会いによって色葉の心も変化していく。

修学旅行みたいだった撮影現場

 撮影期間を振り返り「修学旅行みたいだった」と中条さん。「キャンプ場での撮影が本当に濃厚でした。撮影で使ったバギーにみんなで乗ってはしゃいでいたら、スタッフさんに『遊びすぎ!』って怒られちゃって、それくらい楽しかったな。それぞれが役を演じていたんだけど、私たち6人がリアルに生きた時間がそのまま映画になっているような感覚です」

 原作の最終巻は、そんな6人が並んで歩く絵で締めくくられる。「読み終わって、このイラストを見た時に鳥肌がたったんです。仲間っていいなって改めて思いました。この絵を再現した写真を撮りたいって提案して、映画のパンフレットの裏表紙にもなっています」。なかなか心を開けなかった色葉が、仲間たちに囲まれて最高の笑顔を見せている。

 オタク男子に恋をした色葉だが、中条さんも「つっつんみたいに、何かに夢中になっている人はいいですよね」と好印象。中条さん自身はというと「においオタクですね。柔軟剤や香水を集めていて、アロマやご飯のにおいも好き。最近は香りを極めたいと思って、アロマテラピーの本も買いました。昔から何か一つのことを極める職人さんみたいな人に憧れがあるんです。女優とかモデルって、あまり仕事っていう感じがなくて、どちらかと言えば職人に近いと思っています。いつか私も職人みたいな女優やモデルになれたらいいな」

 そのため、日頃から映画を見てインスピレーションを得たり、本を読んで表現を学んだりすることを意識している。「子どもの頃、本はあまり好きじゃなかったんですけど、祖母に『西の魔女が死んだ』(梨木香歩著)という本をもらったんです。これで読書感想文を書いてみたらって。不登校の女の子が魔女のもとで修業を始める話なんですけど、読み終わった後にいろんな感情がわき上がってきて、すごい体験だと思ったんです。私は言葉で表現することが苦手なので、たくさんの活字に触れて、表現力を身につけていきたいです」