黒木華(はる)・樹木希林さんらが出演する映画「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」の原作は、エッセイストの森下典子さんが、お茶を始めて25年たった2002年に書いた、同名の本だ。飛鳥新社から出て、今は新潮文庫でも読める。その続編が『好日日記(こうじつにっき) 季節のように生きる』(PARCO出版・1620円)。お茶の稽古を中心に、季節の移り変わりをたどる。
10代のころ、季節は「バックスクリーンに流れる単なる『風景』に過ぎなかった」。でも、年を重ね、「私たちは、季節のめぐりの外ではなく、元々、その中にいる。だから、疲れたら流れの中にすべてをあずけていいのだ……」と感じるようになった。
お点前は完璧を目指すものだが、「狙ってかなうものではなく、その日その時の自分を無欲で生きた時、はからずも手に落ちてくるものなのかもしれない」という。
今日は冬至。「太陽の一年の終点だ。そして、ここを起点に、翌日から日照時間は少しずつ長くなり、新たな一年が始まる」
ゆっくりと読んでいくうちに、自分の中にある何かが、呼びさまされる。(石田祐樹)=朝日新聞2018年12月22日掲載
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