シャレたレストランで彼氏と食事中の女性にウェイターたちが突如こぞって交際を申し込む。男たちの強引な求愛を女は華麗な体さばきで振り払い……って、何この展開、おかしくない!? と思わせてから急転直下、第1話のタイトルが出るまでの流れの鮮やかさにまず驚かされる。
結果的に彼氏にフラれ、会社も辞めた彼女は、骨折で入院した祖母の代わりに書道教室の先生をやることに。その教室に通う老若男女7人の平凡なようでシュールな日々の出来事を描く連作集だ。
半紙に書く言葉がいちいちネタになっていたり、そろばんの読み上げ算がラップになったり(電卓片手に読んでほしい)、謎のヤンキー語が登場したり、漢字の部首の「にんべん」が盗まれたりと、言葉遊びのセンスが光る。
一方、墨汁やスマホのバッテリーにとっての“死に際の走馬燈”、クラス演劇でボツになった小4女子のオリジナル戯曲を書道教室の面々が演じてみせる仮想舞台などのビジュアルにも感嘆する。
まさに絵と文字で構築するマンガでしか表現できない世界。奇抜な発想&高度な技なのにさりげなく、含蓄ありそうでくだらない。愛すべき新たな才能の出現に大拍手!=朝日新聞2019年2月2日掲載
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