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新書ピックアップ(朝日新聞2019年5月4日掲載)

『「縄文」の新常識を知れば日本の謎が解ける』 

 縄文人は大量の渡来人に一気に駆逐されたという従来の常識を覆す根拠を、最新の考古学、遺伝学の知見を元に検証。DNA分析から探る日本人の成り立ち、弥生の祭器に残る縄文の文様、ヤマト建国に見る縄文回帰の思想などから現代日本人を再考する。
★関裕二著 PHP新書・907円

『科学と非科学』

 社会が科学に求める重要なことの一つはわかりやすく「説明すること」ではないかと著者はいう。しかし、誠実であろうとすればするほど科学の不確実性に言及しないわけにはいかなくなるとも。細胞機能構造学が専門の神戸大教授が、科学の限界を正しく知ることの大切さ、科学と非科学のはざまについてつづるエッセー。
★中屋敷均著 講談社現代新書・864円

『ものがたり西洋音楽史』

 神に語りかける「祈り」の言葉だった中世の聖歌に始まり、言葉(歌詞)を収める建築物のようなものだったルネサンス音楽、感情を揺さぶる劇的な音楽が生まれたバロック……。各時代の精神にもとづく音楽いずれもが価値をもつとされる現在までをたどる。
近藤譲著 岩波ジュニア新書・1080円

ヨーロッパ現代史

 第2次世界大戦の反省から「和解」の道を歩み始めた西欧諸国だが、現代は「自分が勝つこと」だけに執着するようになったようにみえる。その歴史を概観する。英独仏ロそれぞれの内政、共産圏の動向や難民問題、ギリシャの財政危機など、具体的な事例から危機の本質に迫る。
★松尾秀哉著 ちくま新書・1188円

『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』

 明治末の北海道を舞台にした漫画『ゴールデンカムイ』(野田サトル作)のアイヌ語監修者の著者が、人間をとりまく環境と良好な関係を保つアイヌの世界観、文化、言語の特徴などを紹介する。野田の描き下ろしミニ漫画も収録。
★中川裕著 集英社新書・972円