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佐久間由衣さん、映画「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」に出演 オンラインゲームの世界の豊かさに驚いた

文:篠原諄也、写真:有村蓮

――ゲームの世界で親子が関わり合うストーリーを読んで、どういう感想を持ちましたか?

 最初にこのお話は実話だと聞いて驚きました。私は普段ゲームはあまりやらなくて疎いほうなのですが、オンラインゲームの世界では顔も知らない人と友情が芽生えるんだ、ゲームの世界ってすごく豊かなんだなと思いました。アキオのゲーム仲間はアキオとお父さんの冒険に協力し、皆で強敵を次々と倒していきます。仲間はアキオのキャラの本当の正体を明かすこともありません。オンラインの世界で人に心を開いたり、救ってもらったりできる。お父さんと息子の絆を取り戻して深めていく。これまでに考えたことがない世界でした。

――佐久間さんは主役のアキオに恋心を抱くヒロイン・里美役でした。周りに流されずに自分自身の世界を持っているのが伝わってきましたが、演じる上でどんな点を心がけましたか?

 お父さんと息子のお話なので、私の里美という役が物語全体の応援役になれたらと思いました。脚本を読んだ印象は、里美はすごくへんてこりんで、自分の世界観がある子。同時にすごく真っ直ぐで、一生懸命な女の子だと感じました。

 里美に流れている時間はとてもスローなんです。いくべきときにはビュッといくのですが、それ以外の普段の生活はとてもマイペース。友達が喋っているときも、他のところを見ていたり、別のことを考えていたりしています。セリフもリアクションもゆっくり喋ることは心がけていました。

 監督に里美の衣装の提案もさせてもらいました。ちょっとダサい女の子のほうがキャラクターが愛らしくなるような気がして。あと、自分の世界観が強い女の子なので、あまり印象がきつくなりすぎないように、柔らかい色味の衣装を提案したりしましたね。

――特に印象に残っているシーンはありますか?

 ある事件が一件落着した後に、歩道橋の上でアキオに「おめでとうございます。お疲れさまでした」と言いにいくシーンがあります。そこで「行きたいところはありますか?」と聞いて「あるよ」と答えた後の二人のカットバックのお芝居がとてもトレンディっぽい演出にしていて。ちょっと遊んでお芝居したので、すごく印象深いシーンです。

 実質は4日間ほどの撮影でしたが、すごく濃密な時間でした。佐藤隆太さんが演じるアキオの上司の吉井さん役が、職場にチョコレートを持ってきて「食べてみなよ」と言うシーンがあるんです。そこでサスペンダーがパチンっと外れるんですけど、そこで笑いが止まらなくて。里美はそういうことでは笑わないので、笑いをこらえるのに必死でした。

©2019「劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」製作委員会 ©マイディー/スクウェア・エニックス

――この映画では現実の世界とゲームの世界の2つの世界が描かれています。普通の作品を演じるのと何か違いはありましたか?

 里美のゲーム中は、里美のイメージとは違ったキャラクターが私の代わりにお芝居していました。すごく楽しかったですね。普段はマイペースな女の子なのに、ゲーム中は違ったキャラクターで。うっかりアキオの正体がバレそうなことを言いそうになるシーンもあります。私のお芝居では表現できないことが、ゲームの世界の中で違った形で表現されている。ゲームをやる感覚に近いのかもしれません。

――映画の見所はどんな点でしょう?

 ゲームの話ですが、家族のストーリーになっています。お父さんと息子の話でもあるし、妹やお母さんも含めて、家族の色々な温かい物語があります。ゲームが好きな人だけでなく、多くの方に見てほしいです。自分の日常に戻ったときに、ポジティブな気持ちになれるんじゃないかと思います。

――佐久間さんはオフの日はよく読書をするそうですが、特に太宰治が好きだそうですね。どんな魅力がありますか?

 自分でもよくわからないのですが、ある時、太宰治の『パンドラの匣』という短編を読んだら衝撃を受けて。結核の男の子の話なんですが、内容はもちろん、文章に引き込まれました。こんなに読みやすい文章で、リアルに描けるんだと。それから読書が好きになりました。

 本の趣味は特に純文学が好きです。好きな作家は中村文則さん、西加奈子さん、川上未映子さん、辻村深月さんなど。温かいものからダークなものまで好きですね。

 最近気付いたんですが、子どもの心情が気になるみたいで。中学生から高校生までの多感な時期の心情を描いている作品が心に残っていることが多いです。『かがみの孤城』(辻村深月)や 『あこがれ』(川上未映子)、『ぼくは勉強ができない』(山田詠美)などが好きです。

――今後の活動の展望を教えてください。

 目の前にある仕事を一つずつ丁寧にやっていきたいと思っています。あとは最近気づいたのですが、これまでやらせていただいた役は、自分が共感できる役柄が多かったんです。何かしら自分の中にある役柄を演じさせていただくことが多かった。なので、これからは全く共感できない役柄にも挑戦してみたいです。なんでこの人はこんな行動をするんだろうという役を、自分はどう理解していくんだろうと。自分でも全くの未知なので、色々な役に挑戦してみたいです。

――佐久間さんにとって、演技とはどういうものでしょう?

 私は映画を劇場で見ることが多いのですが、この間あるラブストーリーの映画を見ていてふと、役者がみんな平等に画面の中に写っているのはすごく面白いと感じました。年齢や普段その人が何をしているかに関係なく、自分じゃない姿で平等にスクリーンに映っている。スクリーンの中にしか存在していないのに、それぞれが自分じゃない人を生きている。それってすごく夢があって、面白くて贅沢なお仕事だと思います。

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