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ボウリングと女子高生! 安藤優「ストライク・オア・ガター」(第107回)

 10代でデビューし、43歳の若さで亡くなった早熟の鬼才・土田世紀はボウリングが好きだった。30歳のときマイボールを買い、翌年の2000年には「WEEKLY漫画アクション」(双葉社)で異色のボウリングマンガ『俺のマイボール』を連載する。文法的に少し引っかかるタイトルも、ツッチーらしい勢いとユーモアを感じさせていい。
 チビで不登校の中学生レイジはさびれたボウリング場で「未来の自分」と名乗る怪しげな男に出会い、ボウリングを教わることに。シャブの売買や連続殺人事件が起こる中、半グレになってしまったかつての親友ヒデとボウリングで対決する。全3巻と短いが、物語は最後までしっかり組み立てられているので、当初から予定していたボリュームなのだろう。おなじみのエモい土田節に加えてボウリングに関する解説も意外なくらいきちんとしており、スポーツマンガとしても立派に成立している隠れた名作だ。

 作中に「ボウリングは誰でも一度はやったことのあるメジャーなスポーツだ」というセリフが出てくる。確かにその通りなのだが、にもかかわらずボウリングマンガは決して多くない。マンガの世界に限ってはお世辞にもメジャースポーツとは呼べないだろう。そんな中、昨年から「グランドジャンプ」(集英社)で『ストライク・オア・ガター』(安藤優)が始まった!
 巨乳メガネっ娘の女子高生・畦道十華(あぜみちとうか)は小学生時代に全国大会で優勝したほどのボウリングの腕前を持っているが、並外れた巨乳が視線を集めてしまうため、男の前ではまともにボールを投げられない。幼なじみのギャル・仲栗小弓(なかぐりこゆみ)とふたりで放課後のボウリングを楽しむ日々を送っていた。「百合カップル」が大好物の腐女子教師・花又先生はそんな彼女たちに目をつけ、ボウリング同好会を結成。部への昇格を目指して活動を始めるようになる。実際、小弓は十華に友達以上の執着を見せており、花又先生と同じ趣味を持っている方も楽しめるにちがいない。

 作者・安藤優はこれが初連載となる新人らしい。揺れる胸(着衣)や太ももをはじめ、実にフェティッシュな女体描写には恐ろしいほどの情熱が感じられる。人目を気にする十華と対照的に肌を露出する小弓、十華の母・叶(かなえ)は娘と張り合う巨乳を持つ美人プロボウラー、と幅広い男性のニーズに答えられそうだ。もともとボウリングはハードルの低いスポーツなので、本作がヒットすれば1970年代以来のブームが起こるかもしれない。
 しかし、気になるのは肝心のボウリングのウンチクがほとんど出てこないこと!(笑) ボウリングマンガのヒロインが巨乳である必然性はどこにあるのか。弁護士の太田啓子先生に見つかったら怒られるだろうなぁ。

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