有史以前から中国で飲まれてきた茶が、初めてイギリスに伝わったのは17世紀のこと。エキゾチックな風味と香りでイギリス人を魅了し、18世紀終わりには国民的飲料に。19世紀以降、紅茶は「イギリス的生活様式」の中心といえるまでになりました。
中国に頼っていた生産が、帝国的戦略によって英領インドに移ると、イギリスは自国だけでなく世界中の紅茶生産の主力に。本書は、イギリスにおける茶の歴史から経済、文学、科学、社会史などの諸分野を、3人の英文学研究者が横断しつつ、多角的に解説。
煎じて飲むと気分が落ち着く「アジアの葉」が、いかにして世界を席巻していったか。植物標本や陶磁器類など幅広い図版類も充実した、学術的で刺激的な紅茶文化史です。
定価4200円+税 研究社 03・3288・7777