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内外の小冊子、規格外の面白さ タコシェ@東京・中野

友沢ミミヨさんが手描きした看板が目印だ=東京都中野区

 サブカルの殿堂とされる商業施設、東京・中野ブロードウェイは、中野駅から雑多な商店街を歩いてたどり着くまでがもう楽しい。3階、漫画古書店「まんだらけ」の放つサブカルパワーに圧倒されつつ隅(すみ)を目指すと、約10坪の小さな店に行き着く。目印は、漫画家の友沢ミミヨさんが手描きした、全裸の女性にヘビが巻きつく立て看板。それが「タコシェ(TACO che)」だ。

 読めない外国の文字や、見なれない色使いのアートブック、コミックがところせましと並ぶ。ここでは、一般に流通していない自主制作の本やZINE(ジン)と呼ばれる小冊子などを扱う。「ジンの定義は人それぞれ」と代表の中山亜弓さん(55)。

 日本をはじめ、フランス、台湾、ラトビア、イタリアなど世界のアーティストたちが持ち込む作品の中には、都築響一の写真集『TOKYO STYLE』の、紙には収めきれなかった撮影データ、北朝鮮の風景を撮った立体写真集、10年にわたりカレー店を紹介し続けてきたジンなどもある。最近、香港で学生運動を続ける当事者のジンが加わった。

 1993年、多くの異才を世に出した漫画雑誌「ガロ」のアンテナショップとしてはじまり、後に独立。中山さんは、アンテナショップだったころから店に携わる。「規格外でも、好きなものをランキングに関係なく並べられる面白さがある。街のどこかに、こういうすき間があるのがいいなと思っています」(興野優平)=朝日新聞2019年12月25日掲載

売れ筋

 ●『みなはむ これまでのあらすじ』(みなはむ著、ンキッャヒ) 少年少女や風景を独自の筆致で描くイラストレーターの集大成ともいえるポートフォリオブック。
 ●『間隙 すきま』(高妍〈ガオイェン〉著、自主制作) 沖縄に留学経験もある台湾のアーティストのみずみずしいイラスト・コミック集。日中2カ国語表記。