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写真集、絵本…かわいい表紙ずらり  猫本専門 神保町にゃんこ堂@東京・神保町

猫本がずらり。猫のトートバッグやしおり、スプーンなどのグッズも=東京都千代田区

  猫の写真集、絵本、漫画、小説……。東京・神保町の姉川書店内「猫本専門 神保町にゃんこ堂」には、600種類約2千冊の新刊本がそろう。

 もとは一般の本屋だったが、ネット通販のあおりで客足が減り、経営に四苦八苦。「お客さんが入ってきてもすぐ出ていってしまう。何か面白いことができないかと考えた」と姉川二三夫店長(73)は話す。

 猫好きな長女の祐夏里さんが、2013年から猫本を仕入れ始め、次第に店を占拠、今やほとんどが猫本なのだ。ツイッターなどで拡散され、地方からの客も訪れるようになり、1カ月の購入客は約800人。女性客が6~7割を占める。

 棚の猫本は、かわいい表紙が正面を向くようにディスプレーし、立ち読みもできる。谷崎潤一郎『猫と庄造と二人のおんな』や、沖昌之さんの猫写真集、黒猫図鑑などニャンともバラエティー豊か。発行年の古い猫本は、図書館で読んで面白かった本を、仕入れているという。「本を手に取って開いてもらえるようポップを手書きしています」と祐夏里さん。本の購入者には猫のイラストのオリジナルブックカバーもつける。

 猫を5匹飼っているというお客の兵藤公子さんは「『猫友達』に猫本をプレゼントしたい」、米国人の女性旅行客も猫本に「キュート」と見入っていた。

 猫のパネル展も随時開催。店にはいないが、祐夏里さんの飼い猫、リクジロウが2代目猫店長という。(山根由起子)=朝日新聞2020年1月22日掲載

売れ筋

 ●『ペットと防災ハンドブック どんな災害でもネコといっしょ』徳田竜之介監修(小学館クリエイティブ) ネコをキャリーケースに入れての避難方法や訓練など。
 ●『拾い猫のモチャ』シリーズ にごたろ著(KADOKAWA) 抱腹絶倒の三毛猫モチャの4コマ漫画。