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「BLが開く扉」書評 経済にも政治にも影響力

評者: 本田由紀 / 朝⽇新聞掲載:2020年01月11日
BLが開く扉 変容するアジアのセクシュアリティとジェンダー 著者:ジェームズ・ウェルカー 出版社:青土社 ジャンル:マンガ評論・読み物

ISBN: 9784791772254
発売⽇: 2019/10/25
サイズ: 19cm/299,4p

BLはアジアでは独自の変容を遂げ、大きな社会的影響力を持っていた−。世界のBL、LGBTQ、マンガ研究の第一人者たちが、BL分析から見えるアジアの現状と日本の特異性を解き…

BLが開く扉 変容するアジアのセクシュアリティとジェンダー [編著]ジェイムズ・ウェルカー

 「BL(ボーイズラブ)」とは、男性同士の恋愛・性的関係を描く、主に女性向けのマンガ、小説、アニメなどを意味する。年配の世代には眉をひそめる人も多いかもしれない。しかしBLは、世界で巨大な市場を形成し、各国で独特の発展を遂げている。それは密やかな楽しみの域を超え、現実世界の性的規範を揺るがし、政治的な運動にも結び付くようになっているのだ。
 本書は、ある国際シンポジウムをもとに、アジア諸国におけるBLの変容に関する研究成果をまとめている。対象は、中国、韓国、香港、台湾、タイ、インド、インドネシア、そして日本と多岐にわたる。
 日本のBLに多い「攻め/受け」という非対称性は現実の男女関係の反映か?BLは男性を「男らしさ」から解放するのか? BLはLGBTQの権利拡大につながるのか?
 万華鏡のようなBLの世界。その扉は開く価値が十分にあると実感する。