今から半世紀前の日本では、革命を目指す闘争の嵐が吹き荒れていました。学生運動から始まった権力への抵抗は次第に先鋭化し、「よど号」ハイジャック事件、内ゲバ、12人の死者を出した連合赤軍事件などへと向かいました。
本書は、こうした時代の中心にいた赤軍派メンバーの手記を編んだ一冊です。パレスチナに渡り国際的な抵抗運動の数々に関わった重信房子氏や、現在も北朝鮮にいる「よど号事件」のメンバーなどが執筆陣に名を連ねています。
時代と真摯(しんし)に向き合おうとした若者がなぜこのような運動に身を投じ、古希を過ぎてなお闘い続ける彼らは今、何を思うのか。率直な心情が綴(つづ)られていて、あの時代を知らなくても興味深く引きこまれます。
定価1800円+税 講談社エディトリアル 03・5319・2171