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「都道府県別 にっぽんオニ図鑑」 節分に「鬼は内、福も内」と叫ぶ地域も

 もうすぐ節分。一年のうちでおそらく最も「鬼」にスポットライトが当たる季節です。そこで今回取り上げたいのが「都道府県別 にっぽんオニ図鑑」。

 本書によれば、昔から使われていた和名の「おに」という言葉には、「隠れて姿を見せないモノ」という、今よりももっと広義のイメージがあったといいます。多くの人が想像する「頭に角が生えていて、トラ柄のパンツをはいている姿」は、邪気の象徴である鬼が北東、かつては丑寅と呼ばれた方角からやってくると考えられていたことから、牛の角と虎のパンツのイメージに結びついたのだそうです。

 各地に残る伝説や昔話、祭事や民俗芸能に登場する「オニ」は、姿形はもちろん、性格やバックグラウンドもさまざま。地域によっては扱いも異なります。

 邪気払いの行事として、鬼に向かって「鬼は外、福は内」と声を上げながら豆を投げるのが一般的な豆まきです。ところが、群馬県藤岡市鬼石(おにし)では、地名にちなみ、節分で追い出された鬼たちを迎え入れようと、「鬼は内、福も内」という掛け声で豆まきをするのだとか。このほかにも、栃木県の鬼怒川温泉など地名に「鬼」とつく地域では、同じように鬼を迎える掛け声で“鬼フレンドリー”な豆まきになっているところが多いようです。

 豆まきやお祭りなどの行事のほか、昔話や鬼瓦など、いろんな形で私たちの身近にいるオニ。所変わればオニも変わる。日本各地に根付くオニ文化を垣間見られる一冊です。