コロナ禍でステイホームが続くいま、おうち環境をより快適にしたいと願うのは当然のこと。そして、それはある意味、生き物としての本能なのかもしれません。
今回取り上げるのは、“爬虫類ハンター”としてもおなじみの生態学者、加藤英明さん監修による「私の家、すごいんです。いきものやばいすみか図鑑」。さまざまな生き物たちのユニークな「すみか」を「家」に見立て、想像力あふれるイラスト、図解や写真と共に紹介する一冊です。「すみか」に着目すると、生き物たちが生き残るために長年かけて編み出してきた、本能的な生存戦略を垣間見ることができるといいます。
ちょっとロマンチックですてきなのが、オーストラリアに生息するアオアズマヤドリの“愛の東屋”。繁殖期になると、オスは小枝を集めて東屋のようなものを作り、その周りを花びらや羽、ペットボトルのキャップなど、青いものを中心に飾り立てるんだそうです。青色が多ければ多いほど、メスに気に入ってもらえるとのこと。かなりセンスが問われそうです。
メスに東屋を内見してもらいながら、オスはダンスをしたり、虫をプレゼントしたりして求愛します。メスに気に入ってもらえればカップル成立。意外なことに、東屋でそのまま卵を産むのかと思いきや、愛を育んだ後は東屋はお役御免になるんだとか。メスは自分で別の巣を作ってそちらに卵を産むそうです。東屋はあくまで2羽だけの愛の巣、ということでしょうか。
他にも、お尻の穴が家だったり、空気でできた家だったりと、人間からすると奇妙で不思議な家が続々。でも、裏を返せば、他の生き物から見れば人間の家も十分へんてこりんに見えていそうです。