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「楽しい雪の結晶観察図鑑」 天からの手紙を読み解くお供に

武田康男「楽しい雪の結晶観察図鑑」(緑書房)

 2月の第4日曜日は「雪の日」。長野県や県内の市町村、観光協会などで構成される「スノーリゾート信州」プロモーション委員会が「雪の恵みに感謝し、雪や自然について考える日にしたい」と制定したんだそう。そんな「雪の日」にちなみ、雪に思いを馳せる図鑑としておすすめしたいのが「楽しい雪の結晶観察図鑑」です。

 本書は、日本で観察できる雪の結晶16種を紹介する図鑑。気象予報士であり、「空の探検家」「空の写真家」として活動する武田康男さんが撮りためた雪の結晶の写真をグローバル分類に則って整理し、まとめたものです。雪の結晶というと、クリスマスのデコレーションなどで見かける樹枝状のものが真っ先に思い浮かびますが、本書を眺めていると、針のような形、砲弾状のもの、鼓状のものなど、実に多様な形があることがわかります。同じ種類でも一つとして同じものはないので、見ていて飽きません。

 これほど多様な雪の結晶の形状には、気温と湿度が関係しているとのこと。空の環境によって雪の結晶は縦に伸びるように柱状に成長したり、板状に横に広がるように成長したりするんだそうです。そのため、地上に降ってきた雪の結晶の形を見れば、おおよその大気の状態がわかるといいます。例えば、樹枝状結晶であれば、氷点下12〜17℃で水蒸気量が多い雲が広がっているということになるんだとか。まさに、雪の研究で知られる中谷宇吉郎博士が残した「雪は天から送られた手紙である」という言葉どおり。

武田康男「楽しい雪の結晶観察図鑑」(緑書房)より

 雪の結晶のつくりや成長の仕組み、降り方などの基礎知識はもちろん、雪の結晶を上手に観察するための道具やコツも紹介されています。天からの手紙を読み解くお供として、手元に置いておきたい一冊です。

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