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「はらぺこあおむし」の作者死去 エリック・カールさん

エリック・カールさんの代表作「はらぺこあおむし」=米ニューヨーク、藤原学思撮影

 絵本「はらぺこあおむし」で知られる米国の絵本作家、エリック・カールさんが23日、死去した。91歳だった。家族が26日、ホームページで伝えた。米メディアによると、死因は腎不全。米マサチューセッツ州の自らのスタジオで、家族に見守られながら亡くなったという。

 1929年、ニューヨーク州シラキュース生まれ。6歳で親の故郷であるドイツに移住し、現地で絵を学んだ。52年にニューヨークに戻り、67年に「くまさん くまさん なにみてるの?」で本格的に作家として活動し始めた。ティッシュ紙や指を使って描く画風が人気を集め、70作品以上を残した。

 代表作は「はらぺこあおむし」(69年)で、20歳ほど年下の妹を思って描かれた。おなかをすかせたアオムシが1週間、果物やお菓子、葉っぱを食べ続け、最終的に色鮮やかなチョウチョになる物語。出版社によると、日本語を含む70以上の言語に翻訳され、5500万部以上売れた。

 米紙によると、2019年には同作の誕生50年を祝うイベントに登壇。「この本は希望の本だ。子どもたちには希望が必要だ。取るに足らない小さなアオムシは美しいチョウとなり、世界に羽ばたいていく」と語っていたという。

(ニューヨーク=藤原学思)朝日新聞デジタル2021年05月27日掲載