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フルポン村上の俳句修行・番外編 人工知能「AI一茶くん」と三番勝負!

村上健志さんとAI一茶くん

 「AI一茶くん」は、北海道大学大学院情報科学研究院調和系工学研究室が2017年に開発した、俳句を生成する人工知能です。俳句を作るだけではなく、よしあしを評価して、いずれは人と一緒に句会をする。さらには俳句を切り口に人の知能そのものへの理解を深めることを目指しています。

 最初期には「AI一茶くん(坊や)」と名づけられ、ディープラーニング(深層学習)技術によって小林一茶の俳句およそ2万句を“教師データ”として学習しました。俳句の文字の並びを習得し、ありそうな言葉のつながり17音を出力して新しい俳句を生み出します。そうしてできあがったのは、俳句らしいリズムはあるものの、あまり意味をなしていないものでした。

かおじまい つきとにげるね ばなななな
はつゆきよ いうじんていの かどずかな
ねみどしの しわかさかりの おばんかな

 それから4年、過去の俳人の句だけでなく現代俳句を含めた教師データの強化、技術の改良、数々のトライアルを経て、一茶くんは格段の進歩を遂げています。「見送りのうしろや寂し秋の風」「病む人のうしろ姿や秋の風」の2句は松尾芭蕉と一茶くんの句ですが、どちらが誰の句か、見破れるでしょうか。

 開発チームがここに至るまでの過程をつづった本『人工知能が俳句を詠む AI一茶くんの挑戦』(オーム社)が7月に発売されたのをきっかけに今回、村上さんとの対決が実現しました。三番勝負で、一茶くんの開発に協力している俳人の大塚凱さんに「秋の雨」「消」「のりもの」の3題を出してもらいました。膨大な一茶くんの俳句から選句したのは、こちらも多数の受賞歴がある若手俳人の生駒大祐さんです。

【秋の雨】
駅を出て秋雨の色にまぎれけり
秋の雨しばらく空っぽの花瓶投票はこちらから
【消】
虫の音の数多に消えるひとつの音
渡り鳥橋の名前の消えてなし投票はこちらから
【のりもの】
秋蝶や外から見えるエレベーター
トンネルの中の電車や秋の暮投票はこちらから

 どちらが村上さんで、どちらが一茶くんの句でしょうか。あなたは、どちらの句がいいと思いますか?

 好書好日のツイッター(@BOOK_asahi_com)で、9月17日まで投票を受け付けます。いいと思う方の句に一票をお願いします。また、ツイッターの返信欄、もしくはDMに簡単な選評を書き込んでいただければと思います。選評をいただいた方の中から抽選で6人に、村上さんの著書『フルーツポンチ村上健志の俳句修行』(サイン入り)と好書好日オリジナル作句ノートのセットをプレゼントします(当選者の方にDMでご連絡いたします。公式アカウントのフォローをお願いします)。たくさんの方のご参加、お待ちしております!

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