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『世界「失敗」製品図鑑』書評 20例から原因と教訓を学ぶ

評者: 宮地ゆう / 朝⽇新聞掲載:2021年11月27日
世界「失敗」製品図鑑 「攻めた失敗」20例でわかる成功への近道 著者:荒木 博行 出版社:日経BP ジャンル:マーケティング・広告

ISBN: 9784296000395
発売⽇: 2021/10/15
サイズ: 21cm/287p

グローバル企業の「失敗」20事例を徹底解説。「どういう製品だったのか」「どのようにして失敗に至ったのか」「なぜ失敗したのか」「私たちへのメッセージ」といった項目に分けて考…

『世界「失敗」製品図鑑』 [著]荒木博行

 世界中の「しくじった」製品やサービスから20例を選び、原因と教訓を解説したユニークな本。企業戦略や経営だけでなく、人や組織論も背後に見えて面白い。
 百戦錬磨の経営陣や、才能ある起業家でも避けられないバイアスや判断ミス。「わが社も」と思い当たるものがあるに違いない。
 世界企業となった会社は、たいてい過去に派手な失敗をしている。動画配信大手ネットフリックスはDVDを郵送していた時代に手痛い失敗を経験し、ユニクロも野菜事業に参入して撤退した。フェイスブック、グーグルなどにも姿を消したサービスがある。
 失敗を受け止めきれずに何度も起死回生を狙う企業もあれば、事業にも経営者にもすぐ見切りを付ける企業もあり、興味深い。
 差が生まれるのは、失敗から何を学び、次にどう生かしたかだ。「日本はもっと失敗に寛容にならないといいものは生まれない」と言った米シリコンバレー企業幹部を思い出した。