山口市出身で近代を代表する詩人、中原中也(1907~37)の詩「朝の歌」の全文の直筆原稿が見つかった。山口市の中原中也記念館が発表した。本人が詩人として「ほゞ方針立つ」と振り返った作品で、同館は「記念碑的な原稿の全文が出てきたことは大きい」と評価している。
「朝の歌」は1926(大正15)年5月に初稿、8月に定稿が書かれた。29(昭和4)年に雑誌に発表され、34年には最初の詩集「山羊の歌」に収められた。この間、何度も書き直されている。
今回見つかったのは、原稿用紙の特徴などから雑誌に載ったのと同じ29年ごろのものと推定される。同館が昨年、東京都内の古書オークションで購入した。
(青瀬健)朝日新聞デジタル2023年02月11日掲載