夏休みの自由研究におすすめの図鑑を見つけました。その名も「すごすぎる天気の図鑑」です。著者は気象庁気象研究所に勤める雲研究者、荒木健太郎さん。多くの人に気象に関心を持ってもらいたいと、気象情報のほか雲や空の写真をSNSで発信してきました。映画「天気の子」の気象監修や現在放送中のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」への気象資料提供でも知られています。
本書では、雲の種類が細かく分類すると100種類以上あることや、虹が実は丸いこと、空を駆け上る雷のことや雨のにおいの名前など、天気や気象にまつわる78の疑問や不思議をかわいいイラストや写真を交えて解説しています。
個人的に面白かったのは、熱々のおみそ汁に見られるみそのモワモワとわた雲(積雲)は、どちらも熱対流によって発生しているというお話。しかも、おみそ汁の湯気と空に雲ができる仕組みはまったく同じだといいます。学校で習ったことを思い返せば「確かに」ということではあるものの、その視点でおみそ汁を見たことがなかったので、新たな発見でした。
毎日のように天気予報を見ていても気象については知らないことだらけ。荒木さんによれば、空や雲のことを知ることで、幻想的で美しい空にも出会えれば、災害から身を守ることもできるといいます。本書をガイドに虹との出会いを狙ったり、天気の急変を予測したりするのも一興。毎日空を見上げたくなる一冊です。