第171回芥川賞の選考会が17日、東京都内で開かれ、松永K三蔵さんの「バリ山行(さんこう)」(群像3月号)と朝比奈秋さんの「サンショウウオの四十九日」(新潮5月号)に決まった。松永さんの記者会見での一問一答は次の通り。
――いまの気持ちは。
たいへん光栄です。ただ感謝感謝の気持ちでいっぱいです。作品をつくるにあたっては、担当編集者お二人に力をいただき、書き上げることができました。純文学というと、とっつきにくい、難しいというイメージをお持ちのかたもいらっしゃると思うが、「バリ山行」は登山の小説でして、純文学になじみのないかたも読みやすいかなと思いますので、ぜひ面白い純文学もあるんだなと読んでいただければと思っております。
――(建築関係の会社に勤務し)住民説明会でマイクを持つときより緊張するかと思うが。
たいへん緊張しております。
――Tシャツに「オモロイ純文運動」と書いてあります。
純文学とは何かとよく議論されるが、必ずしも難解である必要はなく、読みやすくとっつきやすいのも、ひとつの入り口だと思う。どんな方にも読みやすく、引きこまれるような小説を。小説である以上はおもしろく。
――今回書きたかったことは。
(藤崎昭子)朝日新聞デジタル2024年07月17日掲載