野宮有さん「殺し屋の営業術」どんな本? 凄腕営業マン、絶体絶命からの起死回生ミステリー
『殺し屋の営業術』は、凄腕営業マンの鳥井がアポイント先で刺殺体を発見し、自身も背後から襲われ意識を失うシーンから始まるミステリーです。
鳥井を襲ったのは、「ビジネス」として家主の殺害を請け負っていた「殺し屋」だった。
撃者となってしまった鳥井は、口封じとして消されそうになる。
絶体絶命の状況の中で、鳥井は殺し屋相手に「ここで私を殺したら、あなたは必ず後悔します」と語り出す。(略)
「あなたは幸運です。私を雇いませんか? この命に代えて、あなたを救って差し上げます」
契約成立。
鳥井は、殺人請負会社に入社することに。
前代未聞の、「命がけの営業」が始まる――。
『殺し屋の営業術』(野宮 有)|講談社
書評家の吉田伸子さんは、「好書好日」に掲載された朝日新聞書評で、「一気読み必至」として、以下のように読み解いています。
殺し屋よりも怖いのは、凄腕(すごうで)の営業マンかも。ずっと心に空虚を抱えて生きてきた鳥井が、ルール無用、文字通り命がけの裏社会で、能力を存分に駆使することで生き生きと輝いていく様がめちゃくちゃ痛快。
ある案件(もちろん、殺し)で敵対することとなる、こちらも鳥井同様モンスター級の殺し屋の営業・鴎木美紅(かもめぎ・みく)と相棒の殺し屋・百舌(もず)とのコンゲーム的な展開は、ラストまではらはらどきどきがもつれ込む。 「殺し屋の営業術」書評 絶体絶命からの起死回生大作戦
野宮有さんは1993年、福岡県生まれ。長崎大学経済学部卒業。2018年第25回電撃小説大賞で選考委員奨励賞を受賞し作家デビューしました。以降の著書に『愛に殺された僕たちは』『ミステリ作家 拝島礼一に捧げる模倣殺人』『どうせ、この夏は終わる』等。「少年ジャンプ+」では漫画原作者として『魔法少女と麻薬戦争』連載しています。
『殺し屋の営業術』は、2026年本屋大賞にノミネートされました。本作は「第71回江戸川乱歩賞」と「王様のブランチBOOK大賞2025」を受賞しています。
江戸川乱歩賞の選考委員を務める、日本推理作家協会代表理事で作家の貫井徳郎さんは「(自分が参加した)選考の中で一番面白かった」と評しています。