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作家の佐藤愛子さんが102歳で死去 「九十歳。何がめでたい」

作家の佐藤愛子さん。90歳をこえて、ベストセラーを出した=2016年、迫和義撮影

 長編「血脈」などの自伝的な小説や、エッセー「九十歳。何がめでたい」などで波乱に富んだ人生をユーモラスに描いた作家、佐藤愛子(さとう・あいこ)さんが4月29日、老衰で死去した。102歳だった。葬儀は近親者で行った。

 1923年、大阪生まれ。父は「あゝ玉杯に花うけて」などで知られる作家の佐藤紅緑(こうろく)。異母兄は詩人のサトウハチロー。元舞台女優の母の勧めで習作を始めた。50年に同人雑誌「文芸首都」に加わり、北杜夫、なだいなだらと共に活動した。

 戦時中に結婚したが死別。56年に同人仲間の作家、田畑麦彦と再婚、田畑の事業の失敗で離婚した。

 59年には自伝小説「愛子」を出版し、注目を集めた。63年、自身を悪妻として描いた「ソクラテスの妻」で芥川賞候補に。69年、夫の借金返済に追われる体験をもとにした「戦いすんで日が暮れて」で直木賞を受賞した。79年には「幸福の絵」で女流文学賞。

 朝日新聞では、連載小説「凪(なぎ)の光景」(87~88年)で家族が散り散りになっていく姿を通して現代社会の病理を描いた。連載コラム「戦いやまず日は西に」(94年)では、身辺雑記や社会批評を辛口の筆致でつづった。

 89年から2000年にかけて連載した「血脈」の完結で菊池寛賞。紅緑やハチローらの激しい生涯を追いながら、父譲りのユーモアで激烈な佐藤一族の歩みを喜劇に転化させた。14年には元夫との出会いから別れまでを描いた長編「晩鐘(ばんしょう)」を刊行し、紫式部文学賞を受賞した。

 16年に出したエッセー「九十歳。何がめでたい」は自身の老いから社会事象まで毒舌で痛快に斬り、ベストセラーとなり映画化もされた。

朝日新聞デジタル2026年05月15日掲載