若い世代の投票で面白い海外文学を決める「10代がえらぶ海外文学大賞」(青少年読書推進機構主催)のスピンオフイベントが5日、東京都の青山ブックセンターであった。昨年から始まった賞は、今年も10代からの投票を受け付けている。この日は選考委員6人が登壇して、海外文学の魅力を語った。
「10代がえらぶ海外文学大賞」は、若い世代に海外文学にもっと触れてほしいという翻訳家の三辺律子さんの思いに、翻訳家の金原瑞人さんらが賛同したことで昨年初めて開催された。今年の対象作品は、2025年に出版された10代が主人公の翻訳作品(選考委員が翻訳したものは除く)。1次投票で推薦作を一般に広く募り、そこに選考委員の選んだ作品も加えて22作を選出。そこから選考委員が、2次投票のノミネート7作を決めた。
イベントでは、7作から漏れた作品も魅力的ということで、選考委員が読みどころを熱く語った。翻訳家の越前敏弥さんが「人間が持っているどす黒さをはっきり描いている作品も、若い人には読んでもらいたい」と紹介したのは、イギリス出身の作家ホリー・ジャクソンさんによるミステリー「夜明けまでに誰かが」(服部京子さん訳)。
玉川聖学院中等部・高等部の司書教諭、鳴川浩子さんは、ジェニファー・リン・バーンズさん作、代田亜香子さん訳の「相続ゲーム」について、見知らぬ大富豪の遺産の相続人に指名された女子高校生と、相続人候補になるはずだった御曹司の4兄弟のキャラクターが、レンジャーもののように立っていて、一気読みできると解説した。
2次投票は、10月12日まで。7作のうち、1作でも読めば投票可能だ。三辺さんは「意外な発見があったり、自分の住んでいる世界だけではないんだなと感じられたりする。好きなものが転がっているかもしれないと信じて読んでみてほしい」と話している。投票者は、11月に開催される授賞式にも応募できる。詳細や候補作は、公式サイト(https://www.10daikaigaibungaku.com/)まで。(堀越理菜)=朝日新聞2026年7月8日掲載