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社会学・歴史・文化人類学 出版社おすすめの人文書を紹介 じんぶん堂2周年ブックフェア「わたしを知る 世界を知る」

記事:じんぶん堂企画室

東京の生活史(筑摩書房)

岸政彦・編

 たまたま集まった聞き手の方が、たまたま一人の知り合いに声をかけ、その生活史を聞く。本書は、東京で生活している/していた150人が語った人生を、解説も説明もつけずただフラットに並べただけという前代未聞の試みから生まれた一冊です。上下二段組み、1200ページ超のボリュームながら刊行後忽ち重版となり、現在5刷1万7000部となる反響を呼んでいます。ただの偶然で集められた、それぞれに必然的な語り。ここにある150万字を読んでいるうちに、偶然と必然によって人びとが隣り合っている東京の成り立ちそのものが再現されていくことに気付くはずです。

私はイスラム教徒でフェミニスト(白水社)

ナディア・エル・ブガ、ヴィクトリア・ゲラン・著、中村富美子・訳

 セックスやジェンダーの問題に悩む人に、コーランにもとづく「服従」しないための療法をおすすめします! イスラムの聖典をひもときながら男女平等を説き、セクシュアリテの封印を解くこの本は、多様性を抱えた患者の生に寄りそう、フランスで人気の性科学医(セクソローグ)による自伝的エッセイです。「女は男の服であり、男は女の服である。」という聖典の言葉をもとに、装丁は名久井直子さんに手がけていただきました。日本語版特別メッセージ「コロナ禍を経て、伝えたいこと。」も収録。

中世ヨーロッパ——ファクトとフィクション(平凡社)

ウィンストン・ブラック・著、大貫俊夫・監訳、内川勇太、成川岳大、仲田公輔、梶原洋一、白川太郎、三浦麻美、前田星、加賀沙亜羅・訳

 中世ヨーロッパは古代ローマとイタリア・ルネサンスに挟まれた「暗黒の」千年紀、文化と文明が失われた停滞期だったのか? 狡猾なカトリック教会の言いなりで、迷信を好んで科学を拒み、野蛮で不潔だった? 騎士が華麗に戦い、魔法と妖精が出てくるおとぎの世界? 本書は中世ヨーロッパに関する11のフィクションをとりあげ、私たちの中世観がどのように作られてきたのか、実際どうだったのかを、豊富な一次史料とともに提示する。

マンガ人類学講義(日本実業出版社)

奥野克巳+MOSA・著

 ボルネオの森の民プナンは、働かず、学校にも行かない。だから過労死にも不登校にも縁がない。ただ生きるために狩りをして、また動物と語らいながら一日を過ごす。そんな彼らと生活をともにし「人間的なものの根源」を探った人類学者・奥野克巳が、気鋭のマンガ家・MOSAとタッグを組み挑戦したのが、“民族誌マンガ”という試みだった。
 私たちの常識を根本から揺さぶるプナンの生き方を、テキストよりもイメージしやすいマンガという形式で表現した本書は、読者を「自由闊達で開かれた人類学」へ誘います。

フェア開催店舗と実施期間

三省堂書店名古屋本店  2/1~3/18
ジュンク堂書店池袋本店 2/14~3月末
紀伊國屋新宿本店    3/1~3/31
紀伊國屋書店札幌本店  4/1~4/30
紀伊國屋書店広島店   3月上旬~4月上旬 
紀伊國屋書店梅田本店  3月中旬~4月中旬   
紀伊國屋書店横浜店   3月上旬~4月上旬 
紀伊國屋書店さいたま新都心店 5月初旬~5月末  

※開催期間は変更となる場合があります。各店舗へお問い合わせください。
*各加盟社のおすすめコメントなどを収録した小冊子をフェア開催中の店頭で無料配布しています。小冊子のデータはこちらからもご覧いただけます。

・ほかのおすすめ人文書もご紹介しています。
北村紗衣さんや読書猿さんの推薦書も 
考古学・地理・民俗学 
心理・哲学・文学

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