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「くまの子ウーフ」神沢利子さんインタビュー たくさんの「どうして?」紡ぎ50年

 たくさんの不思議に出合い、「どうして?」と考えることが大好きなくまの子が主人公の童話「くまの子ウーフ」(ポプラ社)が、来年で刊行から50年になります。作者の神沢(かんざわ)利子さん(93)に作品への思いなどを聞きました。
 ――ロングセラーですね。
 子どもは好奇心のかたまりで、色んなことが新鮮。ウーフの「なぜなぜ?」という思いに、子どもたちは「自分と一緒だ」と、面白がってくれているのだろうと思います。ちょっとボーッとしたウーフと、利口でお兄さんぶっている相棒のキツネのツネタ。この対比が面白いのではないでしょうか。
 ――ウーフが抱く疑問はどうやって考えたのでしょう。
 誰かからヒントを得たとか、モデルはまったくないの。好奇心旺盛なウーフは、私の投影とも言えます。そして、答えはいつも子どもが考えるようなもの。理詰めだと面白くないですしね。
 ――子どもたちにメッセージを。
 「生きている」というのは、たった今のことを指す。今しかないからこそ、大事に、十全に、力いっぱい生きていこう。力が及ばなくてもいい。また明日がある。(聞き手・及川綾子)=朝日新聞2018年1月27日掲載