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「覆面作家」による「百物語」

深夜百太郎 入口 著者:舞城 王太郎 出版社:ナナロク社 ジャンル:小説・文学

価格:1620円
ISBN: 9784904292617
発売⽇:
サイズ: 19cm/428p

ファミレスで、パートのおばちゃんの一人から、深夜に働いていると死んだはずの息子がやってくるのでもう夜のシフトから外しい欲しいと相談があり…。「ファミレスの子供」などを収録…

評者: / 朝⽇新聞掲載:2015年10月25日

深夜百太郎 入口/深夜百太郎 出口 [著]舞城王太郎、MASAFUMI SANAI

 素顔を明かさない「覆面作家」による「百物語」。今年の夏にツイッターで毎晩1話ずつ発表した怪談を、『入口』『出口』の2冊に、50話ずつまとめた。
 顔を伏せて四つ足で機敏に動くクモ女や、事故で死んだ友人からの電話。異界の存在が唐突に出現し、日常の風景をがらりと変える。鬼にとりつかれた母親が息子をいじめて快感を覚える「笑う鬼」では、おはらいを受けても、鬼は完全には消えない。家庭に潜む狂気にぞっとする。
 深夜につぶやくような語り口がかえって不気味さを際立たせ、各話につくモノクロ写真からも不穏さが漂う。百物語はすべて語り終えると本物の怪異が現れるというが、はたして。
    ◇
ナナロク社・各1620円