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撮影方針の「十戒」は明快

観察する男 映画を一本撮るときに、監督が考えること 著者:想田 和弘 出版社:ミシマ社 ジャンル:芸術・アート

価格:1944円
ISBN: 9784903908731
発売⽇:
サイズ: 19cm/262p

舞台は岡山県牛窓。グローバリズム、高齢化、震災の影響、第一次産業の苦境。カメラを回せば、すべてが映りこんでいた−。2016年2月公開の観察映画「牡蠣工場」の監督が綴る、映…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2016年02月07日

観察する男 [著]想田和弘 [編]ミシマ社

 台本やナレーションなどを使わずにありのままを観察して映画を撮る監督を、さらに観察したノンフィクション。編集部が制作過程を2年かけて取材した。「選挙」「演劇1」などのドキュメンタリーを発表してきた監督が、次に目を付けたのは岡山・牛窓の牡蠣(かき)工場。働き手不足に悩まされ、中国人労働者が牡蠣をむく。過疎の町に押し寄せるグローバリズムの波。夢中でカメラを回し、被写体に意識を重ね合わせていく。
 予定調和を求めない、多角的な取材をしているという幻想を演出する取材は慎む、など撮影方針の「十戒」は明快。怒る材料に満ちあふれた世の中だが、「観(み)る」ことによって感情が沈静化されるという監督に思わずうなった。
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 ミシマ社・1944円