阿刀田高さんからのメッセージ
もともと読書の好きな人は20%。もともと読書を好きになれない人は20%。あとの60%は、これから読書に親しめば一生が楽しく有益に過ごせるのです。あなたは、どれ?
阿刀田高さんお薦めの本
舟を編む
三浦しをん 光文社文庫 880円
私たちの思考は言葉によって成り立つ。海のように広大な言葉の群れに分け入って意味を広く明らかにする小舟が国語辞書だ。それを編む仕事……。NHKのドラマになったが、原典は少し異なり、軽やかで深い。現在に問いかけている。
文車(ふぐるま)日記―私の古典散歩―
田辺聖子 新潮文庫 737円
日本の古典文学は世界に冠たるものだ。その六十数編に触れ、ユニークな感想を網羅している。少しひねった筆致がおもしろい。文学は発表されてしまえば読者のものだ。いろいろな解釈や感想があってよいだろう。
赤毛のレドメイン家【新訳版】
イーデン・フィルポッツ 武藤崇恵訳 創元推理文庫 1320円
読書には“ためになる読書”と“おもしろい読書”の2種類がある。ミステリーは後者の代表だ。これに親しむと一生が楽しい。少し長い作品だが味わいは深い。江戸川乱歩も絶賛している一大偉作だ。
=朝日新聞2026年6月11日掲載