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宮内悠介「盤上の夜」書評 伝統ゲームめぐる奇想

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2012年04月29日
盤上の夜 (創元SF文庫) 著者:宮内 悠介 出版社:東京創元社 ジャンル:SF・ミステリー・ホラー

ISBN: 9784488747015
発売⽇: 2014/04/12
サイズ: 15cm/333p

彼女は四肢を失い、囲碁盤を感覚器とするようになった―。若き女流棋士の栄光をつづった表題作をはじめ、同じジャーナリストを語り手にして紡がれる、盤上遊戯、卓上遊戯をめぐる6つ…

盤上の夜 [著]宮内悠介

 囲碁や将棋、チェッカーなど伝統的な対局ゲームをテーマにした奇想短編集。この分野は近年コンピューターによる解析が急激に進んできた。ゲームという機械向きの「演算の山塊」に、生身で立ち向かう人間の苦しみと狂気が色濃く漂う。
 表題作では、四肢を切断された少女が囲碁棋士となり、碁盤を介して新たな感覚の世界を構築しようとする。著者は30代前半の元プログラマーだが、海外経験が豊富でマージャンのプロを目指したこともある。舞台を競技マージャン大会に設定し、無私の女性シャーマンの完璧な読みを、3人の男たちが我欲で混乱させようとする「清められた卓」は、さすがに勝負のアヤへの洞察が深く、秀逸だ。
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 東京創元社・1680円