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【逸冊レビュー8月号/ゾーッとする本】いびつな人々の悪夢のような夏にひたって

「向日葵の咲かない夏」  道尾 秀介・著 あらすじ

 夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。

 一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。(「honto」より引用)

投稿者・かすみさん(東京都)

 あらすじを、主人公の少年が夏に突然死体を見つける、と書くと、サスペンス小説のようになる。少年の元に死んだ同級生が現れる、と書くと、ホラー小説のように感じる。どちらを求めて読んでも、歪な人間達がつくる悪夢のような夏にゾッとできる本。

谷原店長のコメント

タイトルからして不穏ですね。ゾッとする世界観の道尾さんも楽しみです。