1. HOME
  2. インタビュー
  3. アスリート燃え萌えマンガ
  4. マンガみたいな“必殺技”を特訓中です!  ビーチバレー・坂口佳穂さん(後編)

マンガみたいな“必殺技”を特訓中です!  ビーチバレー・坂口佳穂さん(後編)

文:熊坂麻美、写真:斉藤順子、競技写真はオフィスプライヤ提供

 ビーチに映える小麦色の肌と天真爛漫なスマイル。キュートなルックスから「新ビーチの妖精」として人気の坂口佳穂さん。持ち前の負けず嫌いで積み上げた努力が実を結び始めた今シーズン、さらなる飛躍が期待されている。

>漫画「黒子のバスケ」の魅力をかたる前編はこちら

 ――ビーチバレーをやる前はインドアバレーをしていたと聞きました。ビーチバレーを始めたきっかけを教えてください。

  小中とバレーボールをやっていたんですけど、高校では違うことをやりたくてダンス部に入りました。それで高校3年間バレーボールから離れてみたら、またバレーボールをやりたい気持ちが強くなって。そんなとき、川崎マリエンという今の私のホームコートでやっていたビーチバレーの大会を見る機会があったんです。そこで戦っていた選手たちがキラキラ輝いてめちゃくちゃカッコよく見えて、私もあそこでプレーしたい!と思って始めました。大学1年の時ですね。

 ――ビーチバレーの面白さはどんなところですか?

  インドアバレーが6人制なのに対してビーチバレーは2人。自分のプレーが勝敗に直結するところにやりがいを感じます。外でやる競技だから、風の強さや向き、砂の硬さや深さなど、会場によって環境が全く違う。雷が鳴る以外は中止にならないので、雨が降ればボールの感触が重くなったり滑ったり。環境次第で戦い方も調子も変わって経験が必要ですけど、自然を利用しながらどう対応していくかというところもビーチバレーの面白さですね。といっても、風は予測が難しいから嫌いです(笑)。

――砂の上でプレーするのは見た目以上にきつそうです。

  すごいきついですよ! 最初は砂に足を取られてふらふらしていましたし。でもウエイトトレーニングの甲斐あって、ぐっと踏ん張って砂を蹴れるようになりました。1年目に比べたら、ボールを拾えるようにもなってきたし、スピードもスパイクのパワーもついてきていると思います。毎日の積み重ねの大切さを実感しますね。

 ――お気に入りの漫画『黒子のバスケ』では「チームワークの大切さ」が描かれていましたが、ビーチバレーは2人だからこそ、より密な結びつきを求められる感じがします。

  それはすごくありますね。バスケもプレー中のコミュニケーションや信頼関係が重要ですけど、ビーチバレーは2人がどれだけ意思疎通できているかが勝敗を左右すると言ってもいいくらい。コートに立ったら、作戦もタイムアウトも全部自分たちでやるんです。だからお互いの解釈にズレがないように、気持ちがプイってならないように(笑)、日頃からのコミュニケーションをとても大事にしています。

――坂口さんの現在のパートナーは鈴木悠佳子選手ですね。ペアはどうやって決めるんですか?

  選手同士で決めます。実は悠佳子さんと組むのは2回目。前回は、ペアを組んでシーズンを通してプレーするのが初めてだったから、悠佳子さんの言葉をきちんと理解できないところも多かったんです。でも一度離れていろんな経験をするなかで、悠佳子さんが伝えたかったことがだんだんわかるようになって。もう一度組んだら、以前できなかったことができる気がして、私から「一緒に戦ってください」とお願いしました。

 大先輩なのでご迷惑をおかけすることはたくさんあるけど、悠佳子さんとじゃなきゃ自分の良さは出せないと思っています。私も悠佳子さんの良さをどう引き出していけるか、パートナーのためのプレーも磨くことが今後の課題です。

 ――ご自身の良さ、強みはどんな部分だととらえていますか?

  強みはカットショットかなあ。ボールをふわっと相手のコートに落とすプレーです。それも強打がないと決まってこないので、緩急をバランスよく使い分けて相手を惑わせていけたらと。

オフィスプライヤ提供

――『黒子のバスケ』ではいろんな必殺技が出てきましたけど、坂口さんもありますか?

  今、特訓中です! 風向きを計算しながらボールに回転をかけて手前に落とすサーブです。風の力でより効果的にボールが落ちるようになるイメージですね。嫌いな風を味方につけて(笑)、そのサーブを私の必殺技にします。

 ――今シーズンは5月のマイナビジャパンツアーで初優勝、7月のワールドツアーでは決勝トーナメントに進出しました。好調ですね。

  マイナビジャパンツアーは、主力チームが出場していなかったんですけど、それでもプレッシャーのなかで勝ち切れたのはすごくうれしかったです。メンタル、技術どちらの成長も感じることができたし、コーチや悠佳子さんとのコミュニケーションがうまくいっていることも結果につながったんだと思います。

 ワールドツアーは初めての3スターの大会(ビーチバレーの大会は1~5スターまでレベルが分かれている)。決勝トーナメントに行く目標は達成できたから、次に生かしたいです。このワールドツアーは久しぶりの日本開催だったので、観客の方がすごい盛り上げてくださって、海外の試合では味わえない応援の力を感じたのも印象的でした。

 ――そういう意味でも東京オリンピックは楽しみですね。すごい応援になりそうです。

  そうですね。ビーチバレーは海外ではとても人気があって、ロンドンオリンピックでは観客動員数が1位、リオではサッカーに次いで2位だったんです。東京大会も同じくらい盛り上がるように普及活動もやっていきたいですし、自国開催枠でどのチームにも可能性はあるから、あと2年、一戦一戦大切に頑張りたいです。

――「ここに注目するとより楽しめる!」という観戦ポイントを教えてください。

  砂の上だからこそのダイナミックなプレーとか、あとはポイントを決めたときの喜び方かな。手をつないだりハグしたり、ペアごとに喜び方が違うので、そこに注目すると面白いかもしれません。それぞれ色があるんですよ。

 ――坂口・鈴木ペアはどんな感じですか?

  私たちはシンプルで、肩をチョンと触れ合うくらいです。本当はぎゅっとハグしてお尻を触ったりしたいんですけど、悠佳子さんが恥ずかしがりで「やめて」って怒るんで(笑)。勢いあまってぎゅっとしないように気を付けています。私が遠慮がちに喜んでるところにも注目してもらえたら(笑)。

 それから、開放的なビーチでDJがいて音楽もガンガンかかっている、そういうお祭り的な雰囲気もきっと楽しいと思います。今シーズンのジャパンツアーは残り2戦。それに勝って大阪でのファイナルに出場することが今の私たちペアの目標です。みなさんの声援が力になるので、ぜひ観に来てほしいです!