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藤巻亮太主催フェス「Mt.FUJIMAKI」開催直前企画③  アルピニスト野口健さんから、藤巻亮太さんへの手紙

ウガンダのルウェンゾリ山地国立公園にて。標高3962m地点

亮さんへ。

 亮さんと出会ってもうすぐで10年になりますね。雑誌で対談させてもらったのが最初だったよね。京都にまで呼び出して悪かった! でも初めて会ったのが雪の降る京都っていうのも良かったよね。しかも、粉雪だった!

 大人になってから、友達が出来ることはなかなかないけれど、亮さんとは「なんでだろ」と不思議なぐらい気がついたら親友になっていて、気がついたら世界中を一緒に旅をしていて。しかも、かなりマニアックな旅でアフリカのジャングルの中にテントを張っていたかと思えば極寒の北極海にまで出かけ北極点を向きながら思いっきり深呼吸し寒さでブルブルと震えながら「純粋な空気だったね」。

 そして旅だけではなくて、災害支援でも一緒に活動してきたよね。避難所に行く時も亮さんが一緒だと物凄く心強い。現場と向き合う事は大切だけれど、しかし、向き合うという事は時に物凄くエネルギーが必要なこと。

 一人よりも二人で受け止める方が肩に力が入りすぎなくて結果的に皆さんスーッと溶け込み馴染めたりする。

 そして何よりも亮さんがギター片手に歌うと空気がガラリと変わる。笑顔に包まれ喜びで涙を流す人も。東北大震災、熊本震災、中国地方での豪雨災害と活動を共に出来たこと、心から感謝しています。

 そして、今回のマウントフジマキ! これはネーミングもピタリとハマりましたね! 僕と亮さんとの出会いのきっかけは遡ると富士山だよね! 亮さんが初めて富士山に登った時に、山といえば野口健、なら、会ってみたいと僕に連絡してくれましたよね。それが粉雪が舞う京都に繋がっていくわけだから縁って面白いものだよね。

 ヒマラヤにも一緒に登ったよね。今ではもう僕よりもアルピニスト(笑)。

 何しろマウントフジマキだもん。アルピニストを超えて亮さん、もう、お山になっちゃった。これはもう勝てないな〜。

 亮さんは故郷大好き人間だし。亮さんの実家で会う時の亮さんは物凄く生き生きしていて楽しそう。故郷があるっていいな〜といつも羨ましく感じていました。亮さんにとって帰る場所であり、一番ホッとする場合なんだよね。

 その山梨で富士山をバックに開催されるマウントフジマキ! とても素敵です! その記念すべき第1回目に僕にも声をかけてくれてありがとう! いま、慌ててボイストレーニングしています^ ^ なんてね、それは冗談として亮さんとのトーク楽しみにしています。

 あっ、そうそう、今度、『みんな山が大好きだった』という本を渡すね。僕が山登りを始めた時に出会った本だけれど、何の為に頑張っているのか分からなくなった時に読むんだよね。活動を続けていると段々と理屈が膨らんできたりしてね、その理屈に疲れてしまう事がある。でも、この本を読むとね、理屈なんかいらないんだよな、何歳になっても、やりたいからやる!好きだから登る!以上!みたいな。 初心に戻れる本なんだよね。一度、読んでみて。

 では、マウントフジマキ、めちゃ楽しみにしています! ヤッホー!

アルピニスト・野口健