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新しいおいしさ創る技術を実証

 科学はおいしさにどこまで迫れるか。元マイクロソフト社最高技術責任者が料理の世界に転身してラボを創設、実験の成果を問うた『モダニスト・キュイジーヌ アットホーム 現代料理のすべて』(KADOKAWA・1万6200円)の日本語版が出版された。オールカラー約400ページ、重量3・2キロという文字通りの大著だ。
 先端の器具を駆使し、味覚を創造する料理人の動きを、主著者のネイサン・マイアーボールド氏は調理法革命ととらえ、技術の実証に取り組んできた。家庭向けにまとめた本書のレシピ数は406。ゆで卵は黄身と白身の変化を温度ごとに示し、肉を煮る圧力鍋ごと断面写真で見せる。
 日本語版監修の辻静雄料理教育研究所・八木尚子副所長は「詳細なデータと共に、食への愛情が伝わってくる。手間をかけた料理書の力を再認識させられた」と話す。世界で累計27万部、日本語は8言語目。KADOKAWAの菅原哲也翻訳書編集長は、「食をコンテンツとして考えようという社内の意識に一致しました」(長沢美津子)
=朝日新聞2018年11月3日掲載